映画やゲームでもおなじみの世界初の実用垂直離陸機ハリアーの強化改良版。
前身機の ハリアーは、イギリスのホーカー・シドレー社が開発した世界初の実用垂直離着陸機(V/STOL機)で原型機の初飛行は1960年。
1970年代の時点で初期型のハリアーは性能の限界に達していたが、アメリカのマクドネル・ダグラス社は、より洗練したハリアー IIを開発した。それがこれ。
ハリアー2を語る上では1を語らざるをえない。
垂直離着陸機(以下、VTOL機)はエンジンに垂直離着陸のための機構が必要なため重量が増し、どうしても通常の戦闘機に比べ性能が劣ってしまう。
しかし垂直に離陸できるということは、仮に敵に滑走路を破壊されても運用ができるため、前線での使用が可能である等の利点も多いと考えられた。
ハリアーはエンジンノズルを4つ装備し、そのエンジンノズルの向きを変えることによって VTOL を可能とした。
エンジンノズルはわずかに前方まで向くため低速ながらバックすることもできる。
また、ホバリングや極低速時などではラダー、エルロン等の通常の姿勢制御機構が働かなくなるためエンジンからバイパスしたエア噴出口を翼端などの機体各所に配置している。従って、その操縦方法は他の固定翼機とは全く異なり、手動で姿勢制御するため常にボタン30個を操作しなければならず、こうした操縦の複雑さのため、1971年から45人が操縦ミスで死亡している。これは戦闘での死亡者より多い。
ハリアー2になってからは空気力学などを改善し、運用しやすくなっているらしい。
VTOL機は理論上は滑走路を必要としないが、ハリアーは実運用上、着陸のみ垂直で行い、離陸は通常の固定翼機と同じく滑走して行う。
これは、垂直での離陸はエンジンの推力のみで上昇するため非常に燃料効率が悪いためである。
結果としてSTOVL(短距離離陸・垂直着陸)による運用は、離陸重量の制約を、垂直離陸に比べ大きく緩和することに役立っている。
とはいえ、数十年もの間に正式採用に耐えうるVTOL機はハリアーシリーズ意外に現れず、結局いまだに現役なのが当時の設計のスゴい所である。
さて、模型的なお話としては、私の初めての航空機模型です。
定番のハセガワ製なので基本的には丁寧に作れば問題ないのですが、AFVと違ってクリアパーツのキャノピーが問題。
しかもキャノピーのど真ん中に分割線が入ってるので研磨するだけで一苦労。
挙句の果てにバブルキャノピー(パイロットが下を見えるようにコクピットより大きく、丸の形状)なので接着が非常に難しい。
やっぱり接着に失敗し、リタッチする度に変形して結局パーツ注文ですよ。今から思えば最初の研磨をやりすぎたみたい。
塗装も個人的な趣味ではもっとマットな感じが良かったかも。でもハリアーはカッチョ良いね!現用戦闘機のわりに小さいし。
ちなみにこのハリアー2が生まれて初めて作った航空機キット。
いずれもう一機つくりたいぜ。
ちなみにハリアーの名は小型猛禽類であるチュウヒのこと。 |