1/35 M551シェリダン空挺戦車
M551 Sheridan

 

性能諸元  
開  発
アメリカ製
年  代
1965年〜1991年頃
全  長
6.307m
重  量
15.177t
乗  員
4名
最大出力
300hp/2,800rpm
最大速度
69.2km/h
航続距離
270km
武  装
M81 152mmガンランチャー
12.7mm重機関銃M2
7.62mm機関銃M73
装  甲
12.7~107.95mm
 発想は良かったのかもしれないけど、時代が早すぎた戦車。

 1950年代に発足した新型空挺戦車開発の構想は、水陸両用、空中投下可能、既存の軽戦車を凌ぐ機動力と火力を持ち、車重は10 t 以内に収めるという
どう考えても無茶な発注じゃない?という厳しいものであった。
というわけで車体とエンジンは、要求された重量や浮航性を得るために車体がアルミ合金で構成されている。
車体はアルミ合金製であるが、砲塔は圧延防弾鋼板を溶接したものが用いられ、主武装としてM81 152mmガンランチャーを装備していた。
これはM41軽戦車が装備していたM31 60口径76.2mm戦車砲に比べて軽量であり、MGM-51A シレイラ対戦車ミサイルと通常弾の両方が発射可能であった。
通常弾は多目的弾のHEAT-MPを使用し、通常弾とミサイルを合わせて30発を搭載可能であった。

戦車としては軽量で接地圧が低いこともあり、機動性は良好で収納式の防水スクリーンが装備されており、水上航行時にはこれを展開して浮上航行する。
M551は「空挺戦車」の名の通り輸送機からの空中投下が可能な唯一の戦車で、パレットに載せて固縛した状態で空中へ放出し、3個のパラシュートを開いて降下させる。また、LAPESと呼ばれる方法によっても降下させることができ、この場合は超低空を飛行する輸送機からパレットに載せた状態でパラシュートを開傘して機外に引き出し、そのままパラシュートによって減速して着地させるという力技である。

一見素晴らしい戦車に思えるけど、ベトナム戦では高温多湿なジャングルの気候風土で繊細なシステムは数々の故障を起こし乗員の不評をかった。
高温多湿で主兵装のシレイラガンランチャーは暴発をくりかえし、そもそもジャングルにおいて戦車戦がほとんど発生しない戦争ゆえに最大の武器であるシレイラ・ミサイルはここでは運用されないありさま。また軽合金を多用した構造故に地雷等に対し脆弱であり、搭載砲弾の誘爆でバラバラになった事例から、ますます乗員の信頼を失うこととなり、ベトナム戦争後はほぼ退役。
そんなこんなでも緊急展開部隊には需要があったらしく、最近ではイラクでの「自由の盾作戦」などでは一番に戦地に赴き、現場を確保した。
現在は演習地で仮想敵国戦車としてその任務についている。

不遇な戦車ですけど、先進的なフォルムと、多数の機材を小さい車体にのっけた形はかっこいいので模型映えします。
このキットはアカデミー製ですので組むのはスゴく簡単なのですが、履帯が妙に短く、しかもゴム製。そこ意外は素晴らしいキットです。
色は珍しくオリジナルカラーで仕上げてみました。冬期戦線仕様なイメージ。

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